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金枝 直子; 出口 哲生*
Progress of Theoretical Physics Supplement, (191), p.146 - 153, 2011/12
実験技術が発展し、純度の高い環状鎖(線形高分子の端がつながって環状になった高分子)が合成されるようになり、高分子同士の絡み合いが物性に与える影響を、実験的に調べることが可能となってきている。高分子同士の絡み合い問題は、高分子物理の中心的な問題の一つである。このような背景のもと、溶液中における高分子鎖の絡み合いと物性の関係を数値的に調べることは、実験技術が発展するほど必要性が高く、基礎学問としても意義が高い。本研究では、環状鎖が絡み合って列状になった高分子の、溶液中における動的な挙動を数値的に調べたものである。その結果、環状鎖が列状になった高分子系の物性は、それを構成する1つの環状鎖の物性と絡み合いの数により、厳密に定義できることがわかった。これは絡み合った高分子の系が、それを構成する1つの高分子から定義できる、1つの単純な例である。
金枝 直子; 石田 恒; 河野 秀俊
no journal, ,
ヌクレオソームは、ヒストンタンパク質とそれに巻きつくDNAから構成されており、真核生物のクロマチンの基本的な繰り返し構造である。DNAがヒストンに巻きついている構造のため、転写や遺伝子制御にかかわる結合タンパク質はDNAへの結合を阻害される。しかしタンパク質リモデラーは、DNAをゆるませて回転させる等DNAのポジショニングを変えることで、その阻害を取り除くと考えられている。このメカニズムを明らかにするため、DNAのポジショニングを変えた時の自由エネルギープロファイル計算を行っている。リモデラーの原子座標は、未だ決定されていないので、仮想的にリモデラーの役割を取り込む。その第一弾としてヌクレオソームDNAを仮想的にゆるませた状態を作り、ヒストンタンパク質を約10塩基対分だけ回転させて自由エネルギープロファイルを描く。結果、タンパク質リモデラーは、ヌクレオソームDNAのリン酸基とヒストンが強く相互作用している状態ではエネルギーを使わず回転できるが、強く相互作用する状態から回転しようとするときにエネルギーを消費するのだとわかった。またリモデラーは、もしDNAの直径が1.25倍程度ゆるんだ状態ならば、ATPを約10個使って10塩基対分回転する。このエネルギー消費量は、実験的に検証可能な量であり、実験とのつながりに期待がもてる。